報連相とは?基本から実践、業務改善につなげるツールの活用法まで

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2025年5月30日
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概要

「報・連・相」は、円滑なコミュニケーションと業務の遂行に欠かせないビジネススキルです。この記事では、報連相の基本的な考え方から、実践時のポイントについて解説します。さらに、チームの情報共有をより効率的に行うためのツール活用による改善アプローチについても紹介します。報連相を正しく理解し、業務全体の生産性向上につなげましょう。

更新: この記事は、報連相の効率化を助けるツールに関する記述を含めて 2025年 5月に改訂されました。

ビジネスシーンでよく耳にするビジネス用語「報連相 (ほうれんそう)」とは何か?社会人の必須事項とされる報連相のやり方を正しく理解していますか?報連相はスムーズな組織運営のために必要であり、ビジネスパーソンに必須のスキルです。この記事では、報連相とは何か、その重要性と目的、正しく行うためのポイントをわかりやすく解説します。報連相をスムーズに進めるためのツール活用法も紹介するので、参考にしてみてください。

報連相とは?

報連相とは、「報告」「連絡」「相談」という 3 つのことばをまとめたビジネス用語です。

「報告」は、主に部下が上司から命じられた業務の進み具合や成果を伝えることで、「連絡」はプロジェクトメンバーや関係各所に作業進捗や関連情報を知らせることです。そして「相談」は、業務を遂行するにあたり生じた課題やトラブル、疑問、悩みなどを共有し、アドバイスを求めることを指します。報連相を理解するには、仕事における報告・連絡・相談それぞれの意味をきちんと押さえておくことが重要です。

上記を簡単にまとめると、次のようになります。

  • 報告: タスクや業務の担当者がその経過や結果などを述べること。進捗報告

  • 連絡: 仕事の情報や予定を関係者に知らせること。

  • 相談: 問題解決や意見交換のために他人の意見、アドバイスを聞いたり、話し合ったりすること。

スムーズな組織運営を実現するには、報連相が欠かせません。報連相が徹底できていなければ、小さな問題が段々と大きくなってしまい、取り返しのつかない事態に発展するおそれもあります。業務を効率よく進めるためにも報連相の重要性は非常に高く、組織にとってもビジネスパーソン個人にとっても必須の要素といえます。

しかし実際には、仕事に追われていたり、スケジュール管理がうまくできていないと、目の前のタスクに気が取られてしまい報連相がおろそかになることがあります。そうならないようにするためには、まずスケジュール管理や仕事量管理を徹底しましょう。チームメンバーのバーンアウトを防いだり、時間管理を効率よく行いたいときは、ワークマネジメントツールを活用することをおすすめします。Asana なら、チームの仕事量を見える化し、業務の平準化を行うだけでなく、効率的な報連相の場としても機能します。

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報連相と確連報の違いは?

ビジネスにおける基本的なコミュニケーション手法として知られる「報連相」は、情報共有を円滑に進めるための枠組みです。一方で、近年注目されている「かくれんぼう (確・連・報)」は、「確認・連絡・報告」の順で進める手法であり、部下が自ら考えた案を上司に確認し、承認を得てから実行するスタイルです。

報連相は、問題や不明点が生じた際に速やかに上司に相談し、早期対応を図ることが目的です。これにより、情報のタイムリーな共有が可能となり、チーム全体の動きをスムーズにします。一方、かくれんぼうは、部下が自らの判断で行動案を考え、上司に確認を求めることで、主体性や問題解決能力を養うことを目的としています。これにより、部下の自立を促し、組織全体の生産性向上につながります。

どちらの手法も、状況や組織の文化に応じて使い分けることが重要です。新人や経験の浅い社員には報連相を、ある程度の経験を積んだ社員にはかくれんぼうを導入することで、効果的なコミュニケーションが図れます。

報連相の目的

報連相の目的は、大きく分けて以下の 3 つがあります。

  • 業務の効率化

  • トラブル、ミスの回避

  • 問題の早期解決

報連相は業務の効率化を目的として行われます。報連相をすることで、チームメンバーの意思疎通がとれ、結果として業務の効率も上がります。タスクによっては別のタスクに依存しているものもあるでしょう。そういったケースでも、それぞれのタスク担当者間でしっかりと報連相が行われていれば、業務が滞りなく進むのです。

また報連相は、ミスやトラブルが発生したときにも重要な役割を果たします。リスク管理をきちんとしていても、不測の事態が発生してしまうことは避けられません。そんなときにも、報連相を迅速に行えば、早期の問題解決へとつながります。

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報連相の重要性

業務が円滑に進行するために欠かせない報連相。では、報連相の大切さとは何でしょうか?詳しく見ていきましょう。

ビジネスではコミュニケーションが非常に重要な役目を担います。コミュニケーションが取れていないと、チーム内や取引先との認識のずれが生じ、それはいつか大きなトラブルやミスにつながる可能性があります。報連相は、その円滑なコミュニケーションを促すためにあります。報連相がしっかりと行われていれば、コミュニケーションがスムーズにとれていることになり、結果的に業務やプロジェクトも円滑に進みます。

報連相のメリットとは?

報連相を行うことのメリットには、具体的に次のようなポイントが挙げられます。

チーム内のコミュニケーションが増える

ビジネスは 1 人で行うものではなく、ほとんどのケースで社内外の関係者とコミュニケーションを取りながら行います。報連相にはそのコミュニケーションを促すメリットがあります。

業務を効率的に遂行できる

報連相を徹底して情報を共有すれば、上司から適切なアドバイスももらえるでしょう。チームメンバーからのサポートも受けられるため、スムーズに業務を進められるようになります。上司などの管理者も、部下から情報を吸い上げることで適切な判断を下せるため、業務効率化につながります。

上司から信頼してもらえる

報連相をしっかりと行えば、上司から信頼してもらえるため評価が高まるでしょう。業務進捗をきちんと報告し、悩みや疑問も隠さず相談してくれる部下は、上司にとって好ましくかけがえのない存在だからです。

部下がきちんと報告をしてくれないと、上司の意思決定が遅れてしまうおそれがあります。また、すぐに対処すればなんとかなった問題も、報告がないことから取り返しがつかない事態に発展してしまう可能性もあるのです。

報告や相談を密にしてくれる部下は、上司にとって信頼できるため、大きなプロジェクトを任せてもらえる可能性が高まります。重要なポジションを任され、ビジネスパーソンとして成長できるチャンスにも恵まれるでしょう。

進捗状況を把握し、遅延などのトラブルを防げる

報連相を行うことで、それぞれの業務の進捗状況をチーム全体で把握することができます。そうすることで、ミスやトラブルも発生する前に防ぐことができるかもしれません。

業務の進捗状況が芳しくないときでも、報連相を徹底すれば遅延などのトラブルを防止できます。現状で生じている課題を報告し、アドバイスを求めれば適切な対処を指示してもらえ、行動に移せるからです。何かしらの問題が生じているのに、現場だけでなんとかしようとすると、どんどん問題が大きくなるおそれがあります。スケジュールが大幅に遅延し、関係部署や取引先にも迷惑をかけてしまうかもしれません。

現状の課題や、今後生じるであろう問題を早めに報告しておけば、このような事態を回避できます。この先起こりうるトラブルを想定し、適切な対策を講じられるからです。また、万が一トラブルが表面化した場合も、情報共有しているためダメージを最小限に抑えられるでしょう。

チーム内のコラボレーション力がアップする

円滑な報連相によりコミュニケーションが活性化すれば、上司は部下のフォローやサポートがしやすくなり、部下と上司の信頼関係も深くなるでしょう。結果として、部署内の連携力が強まるのです。報連相は職場の安定した人間関係づくりにも影響を及ぼすと言えます。

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報連相がないとどうなるか?

報連相がなければ、チーム内、部署内でのコミュニケーションが滞り、認識のずれが生じてしまいます。具体的に、報連相をしないと以下のような状況に陥ってしまう可能性があります。

  • 上司やマネージャーは部下の仕事の進捗状況が把握できない。

  • トラブルやミスが起きても、その原因がわからず解決策が立てられない。

  • チームのコラボレーション力、連携力が弱まる

報連相を正しく行うコツとポイント

仕事の報告、連絡、相談は、やみくもに実行すればよいわけではありません。効果的な報連相を実現するには、大切なポイントを覚えておく必要があります。実際に報連相を行うときのコツと、正しく実行するためのポイントをまとめます。

  • 適切なタイミングで行う

  • 報告する相手を見極める

  • まずは結論から述べる

  • 事実と私見は分ける

  • ミスやトラブルは迅速に報告する

[コツ ①] 適切なタイミングで行う

報連相を正しく行ううえで最も重要なのは、タイミングを見誤らないことです。とくに新入社員にとっては、「どのタイミングで何を伝えるべきか」が難しいポイントかもしれません。しかし、報連相の本質は、必要な情報を、必要な相手に、適切なタイミングで伝えることにあります。

たとえば、自分の仕事の進捗が滞っている、納期に間に合いそうにない、あるいはトラブルの兆候を感じたといった場面では、「まだ大丈夫」と判断せず、できるだけタイムリーに共有することが重要です。これは情報の緊急度や重要度を自分ひとりで判断しない、という意味でもあります。

実際に、以下のようなケースでは即座の報連相が求められます。

  • 納期の遅延が予想される場合: 納期に影響が出る可能性があると感じた時点で早めに連絡を入れるようにします。

  • トラブルやミスが発生した場合: 気づいた瞬間に上司や関係者へ報告または相談することで、影響を最小限に抑えられます。

  • 予定と異なる進行状況の場合: たとえ問題がなくても、マイルストーン達成時などに中間報告を行うことで、関係者全員が現状を把握できます。

「悪い報告はしづらい」「叱られるのが怖い」といった心理から、報連相を後回しにするケースもありますが、それが状況の悪化を招くことは少なくありません。とくに若手社員にとっては、小さなミスでも早期に報告する習慣を身につけることが、自分の信頼構築にもつながります。

重要なのは、報連相の必要性を理解し、不明点があればすぐに相談することです。タイムリーな情報伝達があれば、組織として早めの対処が可能になるだけでなく、結果的に個人やチームの業務効率も向上します。

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[コツ ②] まずは結論から述べる

報連相は口頭でも、文書でも行うことができますが、いずれにしても、長々と締まりのない報連相は効率的ではありません。報連相を行うときは、はじめに結論を提示するようにしましょう。そうなった原因や経緯はあとからでも追加できますので、まずは結論を相手に知らせ、簡潔に済ませるようにします。

結論を伝える前に言い訳やこれまでの経緯を長々と話してしまうと、上司やチームメンバーの時間を奪ってしまい、業務にも影響を及ぼしてしまいます。話しているうちに要点がぼやけてしまい、本当に伝えたいことが伝わらない可能性も出てくるでしょう。時系列で長々と説明するのではなく、まずは結論を伝え、それから上司の求めに応じて説明を加えていくことが重要です。

一方、メールを用いて報告するときも同様に、結論から書くのが基本です。メールの場合はタイトルを工夫し、要点や重要性を把握してもらえるようにしましょう。一番伝えたいことをタイトルに記入するのも有効です。

[コツ ③] 正確に伝える

曖昧な表現では相手に伝わらず、誤解を招くおそれがあります。認識の齟齬が生じてしまうと、後々トラブルに発展する可能性もあるため、報連相を行うときは正確に伝えることを心がけましょう。

正確に伝えるためには、抽象的な表現を排除するのがポイントです。「ほとんど」「大体」「多分」などの単語は、人によって解釈が大きく変わってしまうため注意しましょう。「5W2H」や数字を用いるのも効果的です。特に、上司に行動してもらう必要がある場合には、5W2H や数字を用いて正確に情報を伝えます。

アドバイスを求めたいときは、あらかじめ相談内容をまとめておくことをおすすめします。何が問題なのか、何を知りたいのかなどを明確にしておけば、スムーズかつ正確に伝えられます。

[コツ ④] 解決策も考えておく

漠然と事実だけを伝えても、上司の負担を増やしてしまうだけです。上司からの評価を下げてしまうおそれもあるため、状況を報告するだけでなく、現状を踏まえてどうしたいのか、上司に何を求めているのかまで伝えましょう。

問題が起きたときは、事実を正確に伝えるのはもちろん、解決案まで併せて伝えるのがポイントです。上司に好印象を与えられるだけでなく、自分なりの対処法を考える癖をつければ、ビジネスパーソンとしての成長にもつながります。

[コツ ⑤] 事実と私見を使い分ける

報連相では、事実と私見、つまり自分の意見を切り分けて伝えることが基本です。主観的な考えや感情を交えてしまうことがありますが、まずは客観的な事実を正確に伝えることが信頼につながります。

意見が必要な場合や求められた場合のみ、「私見としては〜」と前置きして述べるようにしましょう。こうした意識は、日々の報連相を通じて習慣化していくことが重要です。

[コツ ⑥] 相手の都合にも配慮する

上司が忙しいときに報告や相談を持ち込んでしまうと、上司の手を止めさせてしまうだけでなく、よくない印象を与えるおそれもあります。相手が今どのような状況なのか、きちんと把握したうえで報連相を実行しましょう。「今 5 分ほどお時間よろしいでしょうか」「〇〇の件で報告があります」など、時間や要点を最初に伝えるのがおすすめです。

報連相を効率的に行う: ツール活用法

報連相を正しく行うだけでなく、効率的に行うことも現代のビジネスにおいては重要です。特にリモートワークや複数人が関わるプロジェクトでは、口頭やメールだけの情報共有では限界があります。

報連相は、クラウド型のツール上で行えばさらに効率化します。メールやチャットツール、アナログ式のやり取りでは、情報が埋もれてしまい、見失ってしまうことも多いでしょう。Asana のようなワークマネジメントツールなら、最新のやり取りを瞬時に確認することができ、他の情報に埋もれることもありません。

ツールで改善できる報連相のポイント

たとえば、Asana のようなワークマネジメントツールを使うことで、次のようなポイントを自然と押さえられます。

  • 報告: タスクの進捗や完了状況がリアルタイムで見えるため、口頭での逐一の報告が不要になる

  • 連絡: コメント機能などを使って必要な人に確実に通知が届くため、伝え漏れを妨げる。また、過剰な情報共有も防げる

  • 相談: 議論したいタスクに関係者をメンションすることで、文脈を共有しながら建設的な相談ができる

一方、このようなツールはファイルやデータをスムーズに共有し整理できるだけでなく、スマートフォンアプリを使えば、外出先や移動中にも進捗やファイルを確認し、コメントを入力することも可能です。

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まとめ: 報連相の効率化にツールを活用

報連相 (ほうれんそう) とは何か、その定義と目的、重要性、メリットなどの基本知識と、正しく実行するためのコツをご紹介しました。

報告、連絡、相談を意味する「報連相」は、職場のコミュニケーションを円滑にし、正しく情報共有し、結果業務効率を上げるために役立ちます。報連相スキルを磨いて、仕事の効率を上げましょう。

ワークマネジメントプラットフォーム「Asana」を利用すれば、一元的なタスク管理を実現できるため、チームメンバーとの情報共有も容易です。報連相の質を落とさず手間だけ必要最小限に抑え、その分のリソースを課題解決に割けるようになります。

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