役割分担 曖昧
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概要

役割分担が曖昧な状態とは、チームやプロジェクトにおいて誰がどの業務を担当し、どこまで責任を持つのかが明確になっていない状態を指します。役割分担が曖昧なまま業務を進めると、仕事の重複や抜け漏れ、責任の押し付け合いといった問題につながりやすくなります。本記事では、役割分担が曖昧になる原因と起こりやすい問題を整理したうえで、立場別の向き合い方と、業務を可視化して役割分担を明確にする具体的な方法を解説します。

「役割分担が曖昧な状態」とは何か

役割分担が曖昧という状態は、業務内容や責任の範囲が明文化されておらず、担当者があいまいなまま仕事が進んでいることを意味します。

これは役割の曖昧さや役割曖昧性とも呼ばれ、組織行動の研究でもたびたび取り上げられてきたテーマです。

役割分担が曖昧な職場では、誰が最終的な判断を下すのか分からない、同じ業務に複数人が関わっているのに責任者が決まっていない、指示が大まかな言葉で終わってしまう、といった状況がよく見られます。

こうした状態が続くと、メンバーは自分が何を期待されているのかを把握できず、業務への納得感が下がっていきます。


役割分担が曖昧になる主な原因

業務内容や役割定義を言語化できていない

言語化されていない役割は、解釈の違いを生む大きな要因になります。

多くの職場では「営業担当」「企画担当」といった大まかな肩書きはあっても、具体的な業務内容や責任の範囲までは明文化されていません。

そのため、メンバーの間で「これは自分の仕事なのか」という認識のずれが生まれやすくなります。

業務が属人化し、可視化されていない

特定の担当者にしか分からない業務プロセスが増えると、組織全体の透明性が失われます。

長く同じ業務を担当しているメンバーがいる場合、その人の経験や勘に頼った進め方が定着し、他のメンバーが業務の詳細を把握できなくなります。

結果として、誰がどこまで担当しているのかが見えにくくなり、役割分担そのものが曖昧になっていきます。

チーム内のコミュニケーション不足

定例の会議や進捗共有の場があっても、形式的な報告で終わっている場合、情報共有の仕組みとしては十分とはいえません。誰が何をどこまで進めているのか、次のステップで誰の協力が必要なのかといった詳細が共有されないと、業務の境界線があいまいなままになってしまいます。

実際に、日経 BP と Asana Japan が 2026 年に実施した共同調査でも、必要な情報が一部の人や部署にとどまっていると感じる人は81.6%、過去の経緯や判断理由について記録や引き継ぎがされていないと感じる人は79.8%にのぼりました。

情報や判断の背景が特定の担当者に偏っている組織ほど、誰がどこまで責任を持っているのかも見えにくくなる傾向がうかがえます。

部門を横断する仕事が増え、境界があいまいになっている

近年は、1 つのプロジェクトが複数の部署にまたがって進むことが当たり前になっています。

前述の調査では、複数の部署と連携して業務を行うことが「よくある」「ときどきある」と答えた人は 89.4 % にのぼりました。

一方で、自部署の目標を理解していると答えた人は 79.8 % だったのに対し、他部門の目標まで理解していると答えた人は 27.7 % にとどまっています。

同じプロジェクトに関わっていても、相手部署が何を目指しているのかが見えていなければ、役割の境界はどうしても曖昧になりやすくなります。


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役割分担が曖昧な場合に起こりやすい問題

仕事内容の重複とミスマッチ

担当者が明確でないと、複数のメンバーが同じ業務を別々に進めてしまうことがあります。

これは時間の浪費になるだけでなく、情報の食い違いを生む原因にもなります。

また、本人の経験やスキルと実際に任される役割がかみ合わない役割のミスマッチも、役割分担が曖昧な組織で起こりやすい問題です。

責任のなすりつけ合いと不信感

問題が発生したときに「自分の担当ではない」と誰も引き受けない状態が続くと、責任のなすりつけ合いが起こりやすくなります。

こうした状況が繰り返されると、メンバー同士の不信感が強まり、チームの協力体制そのものが崩れていきます。

ストレスや不安感の増加

自分が何を期待されているのかが分からない状態は、メンバーに大きなストレスを与えます。

十分な手がかりがないまま業務を進めなければならない不安感も、役割分担が曖昧な職場でよく見られる心理的な負担です。

業務効率と業務負荷への悪影響

役割分担が曖昧だと、判断に時間がかかったり確認作業が増えたりして、業務効率が下がりやすくなります。

加えて、責任感の強いメンバーに仕事が集中しやすく、特定の人だけ業務負荷が高くなるという偏りも生まれます。

日経BPと Asana Japan の共同調査 (2026年) では、ビジネスパーソンの 1 週間の業務時間のうち、会議に 8.4 時間、確認や連絡、情報共有に 7.1 時間が使われている一方で、企画や戦略立案といった価値を生み出す業務に使える時間は 6.8 時間にとどまるという結果も出ています。

役割や責任の所在があいまいなほど、状況確認や認識合わせのための「仕事のための仕事」が増え、本来注力すべき業務に使える時間が圧迫されやすくなります。


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人がどんどん辞めていく職場に共通する役割分担の課題

役割分担が曖昧な職場では、責任感が強く能力の高いメンバーに仕事が集中しがちです。

「あの人に頼めば何とかしてくれる」という空気が広がると、優秀な人ほど長時間労働やストレスを抱えやすくなります。

こうした偏りが続くと、頑張っても正当に評価されないという不満につながり、最終的には離職という選択に至るケースも少なくありません。

1 人が辞めると残ったメンバーの負担がさらに増え、連鎖的な離職を招く悪循環に陥りやすいことも、役割分担の曖昧さが引き起こす深刻なリスクの 1 つです。


役割分担を曖昧にしてしまうリーダーの特徴

役割分担が機能不全に陥っている組織では、その背景にリーダーの関わり方が影響しているケースが少なくありません。

部下に対するフィードバックが少なく、うまくいっているかどうかを確認する機会が乏しいと、メンバーは自分の役割に対する納得感を持てないまま業務を進めることになります。

また、判断基準を示さずに「各自の判断に任せる」という姿勢を取り続けるリーダーの下では、メンバーは常に「この進め方で合っているのか」という不安を抱えながら仕事をすることになります。

風通しの良い職場のように、率直な意見やフィードバックが行き交う環境を整えることも、リーダーに求められる役割の 1 つです。

新しく加わったメンバーへの教育研修が後回しにされている場合も、役割や業務内容の理解が浅いまま現場に出ることになり、役割分担の曖昧さがさらに広がりやすくなります。


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役割分担を明確にする方法

業務内容を洗い出して役割を整理する

まずはチームが抱えている業務内容を一通り洗い出し、役割整理を行うことが出発点になります。

誰が、どの業務を、どこまでの範囲で担当しているのかを言語化するだけでも、認識のずれはかなり減らせます。

プロジェクトの立ち上げ時であれば、プロジェクト憲章テンプレートを使って関係者の役割をまとめておくと、後から認識のずれが生じにくくなります。

判断基準を明文化するフレームワークを取り入れる

役割分担を整理する際は、RACI のようなフレームワークを取り入れるのも有効です。

RACI チャートでは、業務ごとにR (実行責任者)、A (説明責任者)、C (協業先)、I (報告先) を割り振ることで、誰がどこまでの判断基準を持つのかを可視化できます。

ゼロから作るのが大変な場合は、RACI チャートテンプレートを使うと、チーム全体で統一したフォーマットをすぐに用意できます。

役割分担表やツールで可視化する

決めた役割分担は、口頭や記憶だけに頼らず、誰もが確認できる形で可視化しておくことが重要です。

ガントチャートのように、担当者やスケジュール、タスク同士の依存関係を 1 つの画面にまとめておけば、進捗状況と責任の所在を同時に把握できます。

フィードバックを通じて納得感を高める

役割分担は一度決めて終わりではなく、定期的なフィードバックを通じて見直していく必要があります。

負荷の偏りや業務内容の変化に合わせて調整を重ねることで、メンバー一人ひとりの納得感を高めながら運用していくことができます。


立場別に見る役割分担の曖昧さへの向き合い方

チームメンバーができること

自分の担当業務や責任の範囲があいまいだと感じたときは、抱え込まずに上長やプロジェクトマネージャーに確認することが大切です。

「この業務はどこまで自分が担当すればよいか」を早い段階ですり合わせておくことで、後からの認識のずれを防げます。

プロジェクトマネージャーができること

プロジェクトマネージャーには、プロジェクトの初期段階で役割分担を明確にし、進行中も継続的に見直す役割が求められます。

タスクの担当者や依存関係をプロジェクト管理機能で可視化しておくと、プロジェクトが進むにつれて生じる役割の変化にも対応しやすくなります。

マネージャー・管理職ができること

マネージャーには、チームマネジメントの一環として、メンバーの業務負荷を定期的に確認し、偏りがあれば早めに調整することが求められます。

ワークロード管理機能を使えば、チーム全体の仕事量を 1 つの画面で把握し、特定のメンバーに負荷が集中していないかを確認できます。

新しく加わったメンバーへの教育研修の機会を整えることも、役割分担の曖昧さを防ぐうえで重要な役割です。


Asana で役割分担の曖昧さを解消する方法

役割分担の曖昧さは、決め方そのものよりも、決めた内容が可視化されずに埋もれてしまうことで再び曖昧になるケースが少なくありません。

Asana のタスク機能を使えば、1 つのタスクに 1 人の担当者と期日を設定できるため、誰が何をいつまでに行うのかが明確になります。

タスク同士の依存関係を設定しておけば、前工程が終わらないと着手できない業務が可視化され、抜け漏れや重複が起こりにくくなります。

タスク管理ツールとしての Asanaを使うことで、口頭での指示や記憶に頼っていた役割分担を、チーム全員が確認できる形に置き換えられます。

さらに、チームの仕事量を一目で把握できるリソース管理機能を組み合わせれば、特定のメンバーへの業務負荷の偏りにも早めに気づけます。

役割分担の明確化と可視化を両輪で進めたいチームには、Asana の活用が有効な選択肢の 1 つです。

日経 BP と Asana Japan の共同調査 (2026年) では、AI エージェントを組織で活用するには、業務フローの標準化やデータと権限の設計とあわせて、責任所在の明確化が欠かせないことも指摘されています。

役割分担を明確にしておくことは、人だけでなくAIエージェントも含めたチーム全体が迷わず動ける土台をつくることにもつながります。


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まとめ

役割分担が曖昧なままだと、仕事の重複や責任のなすりつけ合い、離職といった深刻な問題につながりかねません。

原因の多くは、業務内容や役割定義が言語化されていないことや、業務の属人化、コミュニケーション不足にあります。

役割分担を明確にするには、業務内容の洗い出しと役割整理、RACI のようなフレームワークの活用、そして決めた内容を可視化しておくことが欠かせません。

チームメンバー、プロジェクトマネージャー、マネージャーそれぞれの立場でできることから取り組み、Asana のようなツールで役割分担を可視化していくことで、誰もが迷わず動けるチームづくりを進めていきましょう。


役割分担の曖昧さに関するよくある質問

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