採用ブランディング

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概要

採用ブランディングは、自社が求める人材から選ばれるために欠かせない採用戦略です。労働人口の減少が続く中、求職者に自社の魅力を正しく伝えられるかどうかが、応募者数だけでなく入社後の定着率にも直結します。本記事では、採用ブランディングの定義から進め方の 7 ステップ、企業の成功事例までをわかりやすく解説します。
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採用ブランディングとは

ブランディングとは何か

ブランディングとは、企業や商品・サービスに対するイメージや信頼感を形成し、他社と区別してもらうための戦略的な取り組みです。ロゴやスローガンといった視覚的要素だけでなく、顧客が企業に対して共通の価値観や信頼感を持てるようにするための活動全般を指します。

採用ブランディングの定義

採用ブランディングとは、このブランディングの考え方を採用活動に応用し、求職者に向けて自社が魅力的な職場であることを伝え、入社意欲を高めていく活動です。通常のブランディングが顧客を対象とするのに対し、採用ブランディングは求職者を対象とする点が異なりますが、相手の感情や価値観、信頼感を醸成するという目的は共通しています。

単に採用サイトや求人広告を作ることではなく、企業理念やビジョン、企業文化を言語化し、一貫したメッセージとして発信し続けることで、自社にマッチした人材との出会いを増やし、長期的な定着率の向上につなげることが採用ブランディングの本質です。

採用広報・採用マーケティングとの違い

採用ブランディングとしばしば混同されるのが、採用広報と採用マーケティングです。

採用広報は、求職者に対して自社の魅力や価値を伝え、企業の認知度やイメージ向上を図るための情報発信活動です。ブログやメディアリリース、社員インタビューの公開などが代表的な手法にあたります。

採用マーケティングは、マーケティングの手法を採用活動に応用し、採用ターゲットやペルソナを明確に設定した上で、応募数の増加を目的として行うアプローチです。求人広告の最適化や SNS の活用などが含まれます。

採用ブランディングは、これら 2 つの上位概念にあたります。自社の採用ブランドを構築し、一貫性のあるメッセージを発信し続ける包括的な取り組みであり、採用広報や採用マーケティングは、その目的を実現するための具体的な手段だといえます。

また、採用ブランディングは企業ブランディングとも区別されます。企業ブランディングが顧客や取引先に向けて商品・サービスの価値を伝えることを目的とするのに対し、採用ブランディングはあくまで求職者を対象とし、働く場としての魅力を伝えることを目的とします。両者は矛盾しないメッセージであることが望ましいものの、伝える相手と訴求ポイントは異なります。


採用ブランディングが注目される背景

労働人口の減少による人材確保競争の激化

日本はすでに少子高齢化による人口減少社会に突入しており、労働人口の減少が続いています。有効求人倍率は業種によって高止まりしており、企業にとって人材確保はこれまで以上に難しい課題になっています。求職者から競合他社ではなく自社を選んでもらうためには、自社の魅力を明確に言語化し、継続的に発信する採用ブランディングが欠かせません。

SNS や口コミサイトの普及

SNS の普及により、企業は自社の魅力を発信しやすくなった一方で、求職者や現従業員が口コミサイトや SNS で自由に企業の評判を発信できる時代になりました。良い発信であれば追い風になりますが、実態とかけ離れた発信は入社後のミスマッチや早期離職につながるリスクもあります。企業はこれまで以上に、求職者からどう見られているかに敏感になる必要があります。

求職者の価値観の多様化

給与や福利厚生といった条件面だけでなく、企業のビジョンや社会的意義、働きがいへの関心が高まっています。特に新卒採用の場面では、報酬や待遇だけでなく、貢献や成長といった内発的な動機を重視する求職者が増えており、企業は自社が何を大切にしているかを明確に打ち出す必要があります。


採用ブランディングに取り組むメリット

認知度の向上

自社の魅力を言語化し、採用サイトや SNS、オウンドメディアなどの多様なチャネルで継続的に発信することで、これまで自社を知らなかった層にもリーチできるようになります。

母集団形成・応募者の質の向上

採用ターゲットやペルソナを明確にした上でメッセージを発信することで、自社の理念に共感する応募者が集まりやすくなり、母集団形成の質が向上します。結果として、選考プロセスの効率化にもつながります。

ミスマッチの減少と定着率の向上

自社の理念やカルチャー、働く環境を誠実に伝えることで、入社前後のギャップが小さくなり、早期離職の抑制と定着率の向上が期待できます。

採用コストの削減

自社にマッチした人材が自然と集まる状態を作れれば、求人広告費や人材紹介会社への費用負担を軽減できます。選考辞退率の低下やリファラル採用の増加も、採用コスト削減に寄与します。

経営層の視点では、採用ブランディングへの投資は単発の広告費ではなく、離職率の低下や採用市場での認知度向上につながる中長期の資産形成として捉えることが重要です。定着率が上がれば、その分だけ再採用や教育にかかるコストも抑えられるため、投資対効果(ROI)は採用単価だけでなく、入社後の活躍・定着まで含めて評価する必要があります。

インナーブランディング・従業員エンゲージメントの向上

採用ブランディングは求職者だけでなく、既存の従業員にも影響を与えます。自社の理念や魅力を言語化する過程で従業員自身が改めてそれを認識し、エンゲージメントの向上につながるインナーブランディングの効果も期待できます。


採用ブランディングの進め方 7 ステップ

STEP 1 : 自社・競合・求職者の分析

まずは 3C 分析 (Company・Competitor・Customer) などのフレームワークを使い、自社の強みや課題、採用競合の状況、求職者が何を重視しているかを客観的に整理します。この段階での競合分析の精度が、後の差別化戦略の質を左右します。

社内で分散しがちなこの分析作業は、採用管理のためのAsana を使ってプロジェクト化しておくと、人事担当者だけでなく経営層や現場社員とも情報を一元管理しながら進められます。

STEP 2 : 採用ターゲット・ペルソナの設定

自社が求める人材像を、年齢や経験といった属性レベルだけでなく、価値観やスキルセットまで含めた具体的なペルソナとして描きます。ペルソナを設定しておくことで、面接官によって伝えるメッセージがぶれるといった事態を防げます。

新卒採用と中途採用では、求職者が重視するポイントが異なります。新卒採用では成長機会やカルチャーへの共感が響きやすく、中途採用では即戦力として活かせる裁量権やキャリアパスが響きやすい傾向があります。採用ターゲットに応じて訴求ポイントを調整することが、採用力を高める第一歩です。

現場で候補者と直接接するマネージャーにとっても、ペルソナの共有は重要です。面接の場で語る採用メッセージが人によってばらついてしまうと、候補者は会社の実像をつかみにくくなり、内定辞退にもつながりかねません。あらかじめ「自社のどのような強みを、どんな言葉で伝えるか」を面接官同士ですり合わせておくことで、候補者に一貫した印象を残せます。

STEP 3 : 採用コンセプトの設計

分析とペルソナ設定を踏まえ、自社の独自性をターゲットに伝わる言葉に落とし込みます。ここで重要なのは、企業理念やミッション・ビジョン・バリューに立ち返りながら、ターゲットにとって魅力的でわかりやすいコンセプトに仕上げることです。社内に知見が少ない場合は、採用コンサルティングを活用してコンセプト設計を外部の視点から検証するのも一つの方法です。

STEP 4 : 発信チャネルの選定

採用サイトや採用ブログ、SNS、求人広告、イベントなど、ターゲットが情報収集に使うチャネルを見極めて選定します。複数のチャネルを並行して運用する場合、SNS コンテンツカレンダーのテンプレート エディトリアルカレンダーのテンプレート を使うと、公開日や担当者を可視化しながら発信の抜け漏れを防げます。

STEP 5 : 従業員へのブランドイメージの共有

採用コンセプトが固まったら、なぜそのコンセプトに至ったのかという背景も含めて従業員に丁寧に共有します。従業員は自社のブランドを外部に発信する存在でもあるため、リファラル採用や社員 SNS 発信を後押しする土台になります。

STEP 6 : 施策の実行

社員インタビューや職場の撮影といったコンテンツ制作、採用サイトのランディングページ最適化、SNS でのコミュニケーションなど、具体的な施策を実行に移す段階です。人事、マーケティング、経営層など複数の部門が関わるプロジェクトになりやすいため、誰が何をいつまでに行うのかを一元管理できる仕組みが欠かせません。採用・オンボーディング向けテンプレート 応募者トラッカーのテンプレート を使えば、部門をまたいだ進行でも情報が散らばりません。

STEP 7 : 効果測定と改善

応募数や Web サイトの訪問者数、内定承諾率などの定量データに加え、SNS 上での言及数やエンゲージメント率といった定性的な指標も確認しながら、PDCA を回していきます。目標と主要な結果 (OKR) のテンプレート を使えば、KPI を日々の施策とひも付けて追跡できます。進捗をリアルタイムで把握したい場合は、レポートダッシュボード の活用もおすすめです。


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採用ブランディングの主な発信手段

自社採用サイト・オウンドメディア

求職者の多くが必ず目を通す情報源であり、企業理念や福利厚生、キャリアパス、社員インタビューなど、伝えたい情報を自由な形式で掲載できます。近年は note や Wantedly といった外部のオウンドメディアを活用する企業も増えています。

SNS

X や Instagram、LinkedIn などの SNS は、リアルタイム性とインタラクティブ性の高さが強みです。投稿のコメント欄を通じた双方向のコミュニケーションや、社員自身による発信も、採用ブランディングにおいて有効な手法です。

求人広告・求人メディア

Indeed やリクナビといった求人メディアには、転職や就職を具体的に検討している層が集まるため、比較的早期に成果を出しやすいチャネルです。競合との比較検討をされることが前提になるため、採用コンセプトやペルソナを意識した紹介文の作成が差別化の鍵になります。

インターンシップ・採用イベント

会社説明会やインターンシップ、ミートアップといった採用イベントは、企業文化や価値観を直接体験してもらう機会になります。特にインターンシップは、就業体験を通じて自社の働き方をリアルに伝えられるため、新卒採用における入社意欲の醸成に効果的です。Web だけでは伝えきれない雰囲気や熱量を伝えられる点が、これらのイベントの強みです。

採用ブランディングの企業事例

株式会社メルカリは、自社メディア「mercan」を軸に、社員のリアルな入社経緯や失敗談まで含めてカルチャーを発信することで、カルチャーフィットを重視する人材の応募を促進しています。専任チームが SNS やイベントも含めて一貫した発信を担っている点が特徴です。

不動産テック企業の GA technologies は、経営理念と若手が挑戦できるカルチャーを軸にした新卒採用特設サイトを展開し、職種の垣根を越えて活躍する社員のストーリーを継続的に発信することで、成長意欲の高い人材からの応募につなげています。

サイボウズは自社メディア「サイボウズ式」を通じて、働き方や組織文化に関する発信を続けており、企業文化の言語化と発信を通じたインナーブランディングの好例として知られています。

いずれの事例にも共通しているのは、単発の施策ではなく、継続的な発信と全社的な巻き込みによって採用ブランドを育てている点です。


採用ブランディングをプロジェクトとして推進する

採用ブランディングは、人事だけでなく経営層、現場のマネージャー、マーケティングチームなど、複数の部門が関わる長期的な取り組みです。関係者が多いほど、誰が何を担当しているのか、施策がどこまで進んでいるのかが見えにくくなりがちです。スプレッドシートやチャットだけで管理を続けると、情報が分散し、進捗の把握が難しくなります。そこで役立つのが、部門横断のプロジェクトを一元管理できる採用ツールです。

採用活動やコンテンツ発信を Asana 上のプロジェクトとして管理すれば、採用サイトのリニューアルから社員インタビューの制作、SNS 投稿のスケジュール管理まで、採用ブランディングに関わるすべてのタスクを一つの場所で可視化できます。目的に応じて、次のようなテンプレートや機能を組み合わせて活用できます。

採用ブランディングの取り組みを、散らばったスプレッドシートやチャットではなく一つのプロジェクトとして可視化したい方は、採用管理テンプレートのギャラリー から自社に合ったテンプレートを探してみてください。


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まとめ

採用ブランディングは、企業理念やビジョンを言語化し、一貫したメッセージとして継続的に発信することで、自社にマッチした人材からの応募を増やし、入社後の定着率を高めていく中長期の取り組みです。3C 分析による現状把握から、ペルソナ設定、コンセプト設計、発信、効果測定までの 7 ステップを踏むことで、場当たり的な施策ではなく、再現性のある採用ブランドを構築できます。関わる部門が多いからこそ、進捗とタスクを一元管理できる仕組みを整えておくことが、採用ブランディングを継続させる鍵になります。


よくある質問


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